Title:
16mの帰り道
Location:
matsudo, chiba, Japan
Completion:
October 2021
Project Architect:
吉本 考臣、谷浦 修斗
Structual Architect:
-
Build Contractor:
株式会社 天然社
Site Area:
-
Footprint:
-
Total Floor Area:
120㎡
Stories:
2F
Purpose:
Concept:
Photo:長谷川 健太(kenta hasegawa)
・LiVES 2022.23 VOL112 掲載
・architecturephoto 掲載
・Renovation Design:alphabooks 掲載
・桑沢デザイン研究所スペースデザイン年報2021-2022掲載

創業150年を越える雑貨・生活用品店を営む、築40年超鉄骨造3階建ての店舗兼住宅の2階住宅部分の改修プロジェクト。計画地は千葉県松戸市の駅が近く商業地域の一角に位置する。
150年もの間、場所を変えつつも代々職住一体の生活を続けてきた中(昔の写真)で、新しく11代目店主となる施主家族は、雑貨・生活用品店を受け継ぐとともに職住一体という生活環境も受け継ぐこととなる。今回の改修プロジェクトを機に施主家族の生活環境が一転することに対し大きな役割を持つプロジェクトとなった。
施主の要望として、職住一体の生活を行う上で仕事と生活を切り離し、リセットしたいという要望が大きな設計の鍵となった。
既存1階店舗に元々存在した内部階段を使用せず、建物裏側に位置する外部階段を2階住宅へのメイン動線とし、住宅内部にエントランスから対角(東向き)に幅:1.8m、奥行き16mの空間を挿入し、天井をR天井(低い部分H=1800mm)とすることで高さ方向の圧迫感を消し奥行き方向に意識を移行する。各部屋を隣接させ部屋の壁の一部を乳白色のアクリル板で仕上げることにより各部屋から自然光や夜間には照明光が漏れ出し、街路を抽象化したような空間が現れる。その街路のような空間は子供達の遊び場にもなり、仕事場と生活の場をリセットする「帰り道」となり、一番奥には家族が集う場所がある。
このプロジェクトでは、150年間の職住一体の生活を営んできた施主家族に対して初めての「帰り道」を作り、職住一体の生活において大切な社会と家族の間を作ることができたと思う。